殺戮都市~バベル~

こんな状態で、まともに動けるはずがない。


そう思ったけど……黒井の動きは、負傷する前となんら変わらぬ恐ろしい速度。


フラフラだったのは一体何だと思うほどキレのある動きで、俺に高速で詰め寄ったのだ。


「どこにこんな力が!」


「お前と戦う為なら、命だって力に変えてやるさ!」


突き付けられたランスを日本刀で受けて左側に逸らし、肩で黒井を押して距離を取ろうとしたけど……勢いを殺さず、頭突きで迎え撃ち、逆に俺をよろめかせた。


本当に、命を削っているような戦いぶり。


黒井の一つ一つの動作が、命を燃やして力にしていると感じられる。


後がない人間の、死を恐れない攻撃。


だけど……負けられないのは俺も同じ!


ここまでやれるのなら、もう怪我をしているなんて思わない!


「死ねよっ!」


一歩後退させられた俺に、グッと引いたランスの先端を合わせ、詰め寄ると同時に武器を突き出した黒井。


防御が間に合わないと判断した俺は、ランスの下を右足で蹴り上げて、軌道を逸らすと同時に地面に倒れ込んでそれを回避。


迫った黒井の腹部に蹴りを入れたけど……勢いに負けて、身体が押されて地面の上を滑った。