殺戮都市~バベル~

その言葉にニッと笑って、ポケットからPBMを取り出した黒井が、それを俺に向けて画面を操作する。


「バカ者!そんな事を許可すると思うのか!そのPBMごとお前を……」


「口を挟むなっ!これは、俺と黒井の問題だ!」


初めて恵梨香さんに怒鳴った。


俺の剣幕に圧されたのか、それ以上は何も言えないで、口を開いたまま俺を見詰める。


「はっ……熱いよお前。名乗れよ。お前は何者だ」


もう、考える力すら残っていないのか、黒井がわけのわからない事を言う。


「知ってるでしょ?今更名前なんて」


「そうじゃない……お前は何者だ。名を名乗れ」


PBMを操作して、決闘を承諾した俺は、それをポケットに入れて、黒井を見た。


PBMを持っているのに……回復をする気配がない。


意地でそれをしないつもりなのか、それとも回復出来るソウルがないのか。









「俺は……高山真治。ただの高校生です」








それを聞いて、一瞬驚いたような表情を黒井は浮かべたが、すぐに笑みを浮かべて答えた。


「お前に勝つ為に、ソウルを絞り出して武器を強化した……俺が死ねば、二度と復活出来ない。だからお前を殺して俺は生きる!俺は黒井風助!ただの会社員だ!」


フラフラの身体を奮い立たせて、ランスを構えた黒井が俺に向かって駆け出した。