殺戮都市~バベル~

「タイムアップだな。でもこいつらには手を出させねぇよ。お前らは俺が殺す。連合軍なんて馴れ合いの組織をぶっ潰す為にな!」


この圧倒的不利な状況。


黒井が余裕を見せて笑みを浮かべる。


精神的にも、黒井が優位に立ってしまった。


ただでさえ勝てるかどうかわからない戦いだったのに……これで俺達の勝ちはなくなったのか。


と、諦めそうになったその時だった。







「武器を構えろ!こんなチャンスは二度と起こらないぞ!」







黒井の言葉を無視して、この集団のリーダーであろう男が声を上げたのだ。


「……お前ら、俺の声が聞こえなかったのか?こいつらは俺が殺すって言ってんだよ!……それに何だ?全員腕でも怪我してんのか?」


周囲を見回した黒井が、取り囲む人達の左腕に布が巻かれている事を指摘して、俺は思い出した。


もしかして……この南軍の人達は。





「俺達は、お前の私兵になるつもりはない。他軍の人間にもわかり合える人はいる。その人達にまで牙を剥いて、殺し合う道を選ぶ事が、この街で生きる唯一の手段じゃない!」





この集団の中から一人、リーダーらしき人物が歩み出て来た。


俺は……その人物を知っている。