殺戮都市~バベル~

太い、金属の円錐が、俺の身体を上下に引き裂く。


悲鳴を上げたいくらい痛いのに……声が出ない!


骨が砕け、内臓が千切れ、気絶してもおかしくないはずなのに意識だけはしっかりしていて、苦痛だけが俺に襲い掛かる。


空中で、黒井のランスに貫かれて……身体が上下に分断された俺は、まだ辛うじて動く指でPBMをタッチした。


瞬間回復とは良く言った物で、タッチした次の瞬間には痛みが消えて身体は元通りに。


何とか着地姿勢を取って、素早く黒井の方を向いてポケットにPBMを戻した。


「はぁ……はぁ……危なかった」


こんな事が出来ると知っていなければ、なす術なく殺されていたかもしれない。


「師弟して同じ事をするかよ。だけど、回復してもまた貫かれるだけだぜ?俺の方がお前よりも強い。だから俺が負けるはずがない!」


絶対的な自信。


今まで戦った、「俺は強い」と思い込んでいるだけのやつとは違う。


黒井の言葉は、王者としての自信に溢れている物だ。


「そんなの、やってみなきゃわからない!」


日本刀を構え、黒井の周りを歩いて、月森が視界に入る場所へと移動する。


あいつは……厄介だ。


「……お前が死んでいる間に、お前はなんて呼ばれるようになったか知ってるか?」


俺にランス、狩野にソードブレイカーを向けて警戒しながら、黒井が尋ねた。