殺戮都市~バベル~

ずっと変わらない想い。


誰かが誰かを殺し、悲しみと憎しみだけが生まれる中で、それでも唯一の希望として胸の奥に残っている光。


「随分都合の良い可能性に賭けてるんだな。だったら、どうして南軍を無視して塔に向かわない!お前も死神も、本当は怖いんだろう?塔に登って、何もなかった時が!」


そして再び、黒井が俺達に向かって駆け出した。


「真治君、熱くならないで。惑わされてはダメよ」


「わかってる……わかってるけど!」


黒井の言葉を否定したい。


俺達は怖くて塔に向かわないわけじゃないんだと。


万全を期して、何が起こるかわからない塔に備えようとしているだけなのだと。


日本刀を構え、黒井を迎え撃つように駆け出した。


「お前は一度でも思わなかったのかよ!こいつと戦いたい、勝ちたいって!その全てが戦いの欲求だ!本能なんだよっ!」


突き付けられたランスに、日本刀の側面を押し当てて軌道を逸らす。


そして身体を預けるようにして黒井に接近。


鍔迫り合いになり、お互いの額が激しくぶつかった。


チカッと、目から火花でも飛び出したかと思うほどの衝撃。


だけど、この状況ではよろめく事も許されず、お互いに踏み止まって頭を押し合う。