殺戮都市~バベル~

思わぬ遭遇、そして戦闘が終わり、俺達はビルの中に入る事にした。


ここから、黒井がいる場所に行くには、高層ビルが邪魔をして行けないから。


「狩野、どうしてやつを殺さなかった。その気になれば、お前なら殺せたはずだ」


階段を下りながら、恵梨香さんが狩野に尋ねる。


先ほどの戦いを不満に思っているのだろうか。


「……バベルの塔に行くのよね?だったら、今殺してしまえば復活に時間が掛かるじゃない。戦力になるなら、殺さない方が良いかと思って。ダメだったかしら?」


あの状況で、狩野はそこまで考えて戦っていたのか。


でもそうだよな。


南軍と戦って、そこにいる強いやつを全員殺すというのは、バベルの塔の攻略に確実に不利になる。


黒井を倒して味方になってくれるなら、殺さない方が良いというわけか。


「……なかなか考えているな。そういう事ならあの茶番も納得出来る。しかしここからどうしたものか。黒井にバレてしまっては、戦闘終了後まで待つ意味がなくなってしまったわけだが」


「う……すみません」


まさか、黒井と本気で戦う事になるとか、思ってなかったんだよな。


こうなるなんて、この街に来た頃の俺からは全く想像がつかない。