殺戮都市~バベル~

弓の弱点は、一度矢を射ると再装填までに僅かな隙が生じる事だ。


それは、俺にとっては絶好のチャンス。


大友が矢を放ち、次を射るまでに移動すれば、ジャンプ中に狙い撃ちされるという危険が激減するのだ。


「良いぞ少年!その調子だ!」


いや、何でも良いから援護してくれよ。


声援で大友が倒せるわけじゃないし、やるのは俺なんだから。


「フッ、良い仲間を持ったな!おかげで俺は、お前だけに集中出来る!」


「全く、その通りだと思うよ」


鼻で笑った大友に、聞こえない程度の声で賛同してしまう。


それでも、何とか大友がいる隣のビルまでやって来る事が出来た。


俺を拒絶するかのようにそそり立つビルの壁面……。


10メートル以上はあろうかという巨大な壁に、俺は少し戸惑った。


屋上からは、大友が弓を構えて俺を狙う。


降り注ぐ矢は、まるで隕石かと思うほどの速度と威力で、足を止めたらその餌食になるであろうという事が理解出来る。


「くそっ!タイミングが掴めない!」


矢が放たれて、次の矢が射られるまで約1秒。


その僅かな時間の谷間を突いて、この壁を登るしかない。