殺戮都市~バベル~

身を潜めているビルの陰から、チラリと恵梨香さんを見てみると……大友の動きに反応する為にトンファーを構えて立っているだけ。


「あ、あれで援護してるつもりなのかあの人は……ダメだ、恵梨香さんには任せられない」


肩を落としてガッカリした瞬間、ビルの壁に大友の矢が突き刺さる。


大友も、害のない恵梨香さんを無視して俺だけ狙ってるみたいだし……。


菅の出現は、大友にとっては好都合だったに違いない。


本来なら俺と狩野の二人を相手にしなければならない所を、俺一人に集中すれば良くなったのだから。


そして、菅と仲が悪いから、決して菅が有利になるようには援護はしない。


そんな風に見える。


ビルの陰に隠れて、右手を握ったり開いたり。


よし……かなり力が入るようにはなって来たぞ。


大友がいる隣のビルから移るには、両手が使えない事には厳しいからな。


まだ痛みは残っているけど……やれなくはない。


日本刀を再度右手に持ち替え、鞘を取り出した俺は、深呼吸をしてビルの陰から飛び出した。


と、同時に俺の眼前に迫る矢!


「そう来るだろうと思ってたよ!」


既に上げていた日本刀でそれを弾き、俺は隣接するビルへと飛び移った。