殺戮都市~バベル~

「明ちゃんてさ、戦ってない時は何してるの?好きな人とかいるわけ?」


「特に何もしていないわね。寝ているか、プチプチを潰してるか、そんな感じかしら。好きな人は……あなたには関係ないでしょ」


甲高い金属音が響く中、二人の会話がビルを移動している俺の耳に届く。


……狩野、意外と暗い日常なんだな。


プチプチを潰すって、究極の暇潰しだろ、それ。


そんな事を考えている俺に、大友が放った高速の矢が迫る!


「うわっ!」


慌てて身を屈めるけど、その矢は俺の髪をかすめて消えて行く。


大友が矢を射る瞬間を見ているから、何とかギリギリ反応しているけど……そうじゃなかったら間違いなく射抜かれてるぞ。


狩野が言った、近距離で矢を弾けないという意味が、良くわかる。


少し離れていると、矢を射ってから到達するまでに、回避する準備が出来るけど……近距離でこの矢の速度だと、その前にやられてしまう。


たとえ俺が、近接戦闘に長けているとしても、矢の速度は俺の反応速度を容易に上回って来るという事だ。


大友に狙いを定められないよう、出来るだけ物陰に隠れて移動しているけど……恵梨香さんは本当に援護してくれてるのか?