殺戮都市~バベル~

「少年!行けっ!」


恵梨香さんの声に、ビクッと反応した俺は、周囲を見回して大友に近付く事が出来そうなビルを探した。


低いビルに囲まれた、少し高めのビルに大友はいる。


今、俺がいるビルよりも高くて、飛び移るのは不可能に近い。


やっぱり、隣のビルまで近付いて、何とかして移動するしかないよな。


そんな事を考えている間に、狩野が菅に接近する。


「狩野……狩野明ちゃんだね?いやあ、可愛い可愛いとは噂で聞いていたけど、本当に可愛いね。まるでお人形さんみたい」


「……悪いけど、お喋りをしている暇なんてないの。すぐに終わらせるわ」


そう言い、日本刀を構えて菅に駆け寄った狩野。


淀みのない、流れるような動きで日本刀を振るう。


だがそれを、菅はサーベルを抜いて容易に防ぐ。


「僕はもっとキミの事を知りたいんだけどな。お喋りしようよ」


「……そうね。あなたが声を出せなくなるまでなら、付き合ってあげても良いわ」


そして始まった二人の戦闘。


まあ、狩野に任せておけば菅は大丈夫だろう。


問題は……俺だよな。


射抜かれた右腕の傷は、もう塞がりかけている。


だけど、まだ手に力が入らないから、傷を治しつつ大友に接近しなくては。