「……何見てるんだよ。俺がいちゃ悪いか?」
ムスッとした表情、鼻まで隠れるマフラーを首に巻いて、腕組みをしているのは……沼沢。
こいつが来てくれたのか。
……だったらあの時一緒に来てくれれば良かったのに。
「沼沢か。かなりの大物を連れて来たじゃないか。後は吹雪が、雪子を連れて来れるかどうかだが……待っている時間が惜しい。作戦会議を始めるとするか」
そう言って、俺の手を引いてソファの方に歩いた恵梨香さん。
「大山田、この街の地図を持って来てくれ」
「地図って……もしかしてあれの事?まあ、ある事はあるけど……」
この街の地図なんてあるのか?
この大人数だ、確かにPBMで見るよりは、地図で見た方が全員に伝えられると思うけど。
そんな物があるなら、俺も一つ欲しいな。
大山田が地図を持って来る間に、テーブルを囲んでソファに腰を下ろす内藤さん達。
皆がテーブルの周りに集まった所で、大山田が持って来た地図が広げられた。
「こういう事もあろうかと、私が作った地図だ。かなりの自信作だぞ」
恵梨香さんが作ったのか。
あまりに自信満々に言うから、驚く準備をしていた俺の目に飛び込んで来たのは……。
大きな丸に、バツが描かれた図形だった。



