殺戮都市~バベル~

俺も少し心配していた事を、恵梨香さんが尋ねた。


行く前よりも人数が減っているのはなぜかと。


「それがよ、西軍は問題が解決するまで連合軍には手を貸さないって言われてよ。吹雪が残って説得を続けてるんだが……あの雪子って女、どうも頑固でな。すまねぇ、言われていた戦力を集めるのは無理だったぜ」


酒を飲みながら、神谷が恵梨香さんの問いに答えた。


それにしても、吹雪さんがまだ西軍にいるのか。


この状況で、恵梨香さんはどうするつもりなのだろう。


戦力が欠けた状態、しかも、西軍にいる吹雪さんとは連絡の取りようがないのに。


待つのか……それとも。


「これも予想はしていたとは言え、まさか戦力を減らして帰って来るとはな。そこだけが予想外だ。今、ここにいるのは八人。南軍に潜入するにはギリギリの人数だな」


……ギリギリなの?


俺と恵梨香さんが松田を殺す為に北軍に侵入した時は、二人だけだったよね?


そう考えると、かなり無茶をしたんだなあと思う。


「おっと、『一人も連れて来れなかった』とは言ってないぜ?一人だけ来るって言ったから連れて来たけど……大丈夫だよな?」


そう言って、川崎が指差したのは、俺達の背後。


以前、恵梨香さんと一緒に寝たソファ側に……その人物は壁にもたれて立っていた。