殺戮都市~バベル~

亜美と優の死の真相を知り、再び歩き出した俺達は、例のデパートまでやって来た。


津堂を抑えておく……その為に、このデパートを利用しているのだという。


どういう意味か良くわからないけど、デパートの中に入ろうとした俺は、その入口に立っている一人の女性に気付いた。


あれは……香月!?


理沙を殺したやつが目の前に……。


久しぶりに感じた、身体の奥底から沸き立つような怒りに身を震わせる。


「ん?明ちゃんと……ゲッ!何でそいつらがいるんだい!?」


香月も俺達に気付いたようで、俺の姿を見て驚きの声を上げた。


落ち着け……落ち着け俺。


恵梨香さんは、香月を戦力として数えている。


ここで怒りに任せて斬り掛かるのは簡単だけど、それじゃあダメだ。


いくら理沙を殺したやつでも……。


そんな葛藤を知ってか知らずか、狩野が俺を心配そうな目で見る。


「真治君、大丈夫?」


「大丈夫……だと思いたいけど、保証は出来ないな」


今すぐにでも日本刀を抜きたいという衝動を抑えるのは正直辛い。


そんな中で……恵梨香さんが、俺の右手を取り、握り締めたのだ。


「か、勘違いするなよ少年。こうしておけば、香月に武器を向ける事はないだろうからな」