殺戮都市~バベル~

俺の質問に、ピタリと足を止めた狩野。


面倒を見てくれると言ったはずの名鳥が、どうしてあの二人を守れなかったのか。


「順一を……責めないで。順一は、あの子達の親になろうと必死だったの。戦闘が発生しても、二人の安全を第一に考えて、惨状を見せないように頑張ってたわ」


狩野の口から、名鳥と亜美達の事が語られる。


そうか、亜美と優の親になろうと。


あんなひょうひょうとしている性格からは、想像も出来ないな。


「でも、それがダメだったのかもしれない。二人はソウルがなくてね。順一は『俺が守るから、ソウルがなくたって関係ない』って言ってたけど……一つくらいは持っておくべきだったのね」


あの二人……ソウルがなかったのか。


そうだよな。


ソウルがあれば、生き返る事が出来るんだもんな。


「そして、ある日些細な事で順一と亜美ちゃんが喧嘩をしてね。亜美ちゃんが家を飛び出したの。優がすぐに後を追って、私も二人を連れ戻す為に探したんだけど……私が見付けた時には、二人はポーンに……」


それ以上は狩野も辛そうで、言葉に出せないみたいだった。


二人の親になろうとした名鳥が、それを知った時、どんな思いを抱いたのだろう。


ただ二人が死んで、悲しいと思った俺よりも、ずっと苦しんだに違いない。