殺戮都市~バベル~

そして俺達は、北軍の街を進み、中央部を抜けて東軍に入った。


南軍から移動を始めて、今は東軍か。


どれだけ移動したんだと思うと同時に、戦闘開始のアナウンスが全然流れないなと不思議に思っていた。


たまにあるんだよな、こういう長い谷間の時間がさ。


まあ、今の俺達には都合が良いんだけど。


「さて……名鳥か狩野を探すか。私がPBMを見るから、少年と内藤は周囲の警戒を頼むぞ。東軍にも、バカがいないとも限らないからな」


連合軍と言っても、下の人間にはあまり関係のない事なんだろうな。


それは北軍で出会ったやつらを見ていて良くわかった。


同盟を結んだ名鳥は、この状況にどう思っているのだろうか。


その事もだけど、どうして亜美と優が死んだのか……その事も問い詰めたい。


返答次第では……俺は名鳥を殴るかもしれないな。


恵梨香さんがPBMで名鳥と狩野をサーチしながら、俺達は歩いた。


どこに向かって良いかがわからなくて、足は自然とあの場所に。


「中央部付近に見張りを立てているはずだから、もしかしたら名鳥か狩野がいるかと思ったのだが……どうやら今は別の人間のようだな」


それでもPBMを持ったまま、歩き続ける恵梨香さん。


そんな俺達の前に……見覚えのある男が立ちはだかった。