殺戮都市~バベル~

ポーンが俺達をチラチラ見ながら、まるで誘導するかのように移動する。


北軍側の光の壁付近にルークの姿が見えたから、あれが移動するまでの時間潰しだと思えば良いさ。


路地を抜け、公園の中を通り、小さな川に出た。


工業地帯を流れる、排水路というべき人工的に作られた川。


この川を遮るように光の壁が見えるけど……水は滞りなく流れている。


俺達は通れない光の壁を透過する水は、なんだか不思議な物に見えた。


「おいおい、どこまで行くつもりだ?まさか俺達を誘導した先で、待ち構えていた化け物の群れに襲われるなんてないだろうな」


白鳥だしね、内藤さんは。


もう完全に「餌」の格好だから、妙にその光景が鮮明に脳裏に描かれてしまう。


俺達が付いて来ていると知って、コンクリートの土手を滑り降りたポーン。


本当にどこまで行くつもりだよ。


内藤さんじゃないけど、さすがに不安になって来るぞ。


そして、ポーンが辿り着いたのは……川に垂直に合流する、別の排水路。


高さが2メートルほどある、その横穴に入って行ったのだ。


「まだ行くのか?シンペロ。もうそろそろやめにしないか?いつまでも追ってても、時間の無駄という可能性が……」


と、内藤さんが止めようとしたけど……俺は、奇妙な事に気付いてしまった。