殺戮都市~バベル~

何か……あのポーンに懐かしさのような物を感じるのは気のせいか。


少なくとも、ポーンなのに敵意を全く感じない。


「しかしシンペロ。結局あいつはポーンだ。人間を食う化け物に変わりはないだろ?」


内藤さんの言う事は間違っていない。


俺もその意見に賛成だし、反論するつもりはないけど……だけど気になる。


「ちょっと様子を見ませんか?襲って来る様子がないし、あんな個体珍しいじゃないですか」


「……シンペロもなかなか珍しい部類に入ると思うぞ。普通、逃げるか戦うかしか選択肢なんてないだろ」


内藤さんに珍しいって言われたら、なんか凄い変わり者みたいじゃないか。


俺ってそんなに変かな。


「……でもまあ、シンペロがしたいようにすれば良いさ。俺は地獄の底まで付いて行くぜ」


俺の肩をポンッと叩き、満面の笑みで親指をグッと立てて見せた。


……いや、そこまでは来なくても良いけど。


「あ、ほ、ほら。動き出しましたよ。ついて行ってみましょう」


早く北軍に行きたいのに、俺は一体何をやってるんだろう。


大事な事をやらなければならないのに、それすらも後回しにしてしまうほどあのポーンが気になっているのか、俺は。