殺戮都市~バベル~

「いてっ!いってぇぇぇぇぇっ!!待った待った!もうやめ!こんなの割に合わねえよ!」


黒井が武器から離れ、死神の腹部を貫いていたランスが消える。


気付けば、吹っ飛ばされた腕も元通りになっていて……何が起こったのか、俺にはさっぱりわからなかった。


「だから言っただろう。メリットなどないと。全く……おかげでソウルを3つも使ってしまった」


何度も首を横に振り、溜め息を吐く死神。


「しっかし、普通考えるか?身体を貫かせて、動きを止めた後に攻撃して、死ぬ前にソウルを3つ使った瞬間回復かよ……パスパス!お前とはもう戦わねえ」


地面に腰を下ろしたまま、黒井は頬をさすって手を横に振った。


本気で戦って、勝負が付かない事もあるのか。


どちらかが死んで、どちらかが生きる戦いしか経験がないから、こんな決着があるのだと、不思議な気分になった。


「あ、ところでさ。そこの男、なんで南軍なのにあんた達と一緒にいるの?まさか、南軍を裏切ったとか?」


俺を指差して、黒井が不思議そうに尋ねた。


「い、いや、俺は……」


「ふざけるな。この少年は、少女を送り届ける為に一時的に私達と行動を共にしているだけだ。裏切るも何も、仲間ですらない」


……確かにそうなんだけど、そうはっきり言われると、何だかショックだ。