殺戮都市~バベル~

それだけじゃない。


脇の下ギリギリで避けた槍を左脇に挟んで、槍の動きを封じたのだ。


そして、勢いが付いて止まらない名鳥に、松田が強烈な頭突きを放つ。


ゴンッ!と言う鈍い音が体育館に響き、そのまま床に倒れ込んだ名鳥。


松田もフラフラして、隙だらけなのに……今、攻撃が出来る人は誰もいなかった。


「右腕一本……これは、お前達を甘く見た戒めだと思っておこう。だが……俺を殺すには至らなかったようだな」


逃げるようにして俺達と距離を取って、額から血を流しながらも振り返って笑みを浮かべる。


「くうううう……まさか頭突きをするとは思わなかったぜ。いってぇ……」


頭を押さえながら、名鳥が立ち上がる。


俺も何とか、片足だけで立ち上がって、鞘を支えにしてその場に静止した。


痛みが……左脚の切断面から登ってくる痛みが、俺の表情を険しい物へと変える。


「その脚では今までのような素早い動きは出来ないだろう。少しヒヤッとしたが……俺の勝利は揺るがない!」


今の一瞬の攻防を切り抜け、勝利を確信したのだろうか。


「本当に化け物じみた強さだな……でも、やつの右腕を落としたのはナイスだ。見ろ、右腕を気にしてやがる」