殺戮都市~バベル~

右腕を失い、微かによろめいた松田だったが……右腕を切断されると早々に判断していたのか、既に左手で鞭を取り出して、二人を迎撃する体勢に入っていた。


「なめるなよっ!雑兵ごときが俺をなめるなっ!!」


この戦いが始まって、一番の大声で怒鳴った松田が、名鳥と恵梨香さんに向かって鞭を振るう。


床を走る名鳥と、宙を舞って迫る恵梨香さん。


「ハッ!高校生が身体を張ったってのに、俺が身体を張らねぇでどうするんだよ!」


松田に接近しながら、槍を回転させる。


それが鞭を下から弾いて、軌道を逸らしたのだ。


だけど、それでも恵梨香さんだけは捉えようと、空中でブレながらも鞭は恵梨香さんに向かう。


上手く弾いた名鳥とは対照的に、二本のトンファーで防御するのが精一杯なようで。


空中で弾かれ、恵梨香さんは体育館の端まで飛ばされてしまった。


だが、まだ名鳥の攻撃が終わったわけじゃない!


回転させていた槍をピタリと止め、その穂先を松田の左肩に合わせると、走っている勢いを乗せて、槍を突き付けたのだ。











「だから、なめるなと言っているっ!」









しかしその攻撃は、素早く横に移動した松田に避けられてしまった。