殺戮都市~バベル~

そんな俺を見て、松田の表情が曇り始める。


「気に入らないな。その目は、俺に勝てると思っている目だ。これ程の実力差を見せられて、まだそんな幻想を抱いているのか?」


普通の人なら、名鳥みたいに「勝てない」と嘆き、怯えて、戦う気すら起こらないかもしれない。


そうならなかった俺に、松田は怒っているのだろう。


その怒りをぶつけるように、小さく鞭を振り、体育館の床に打ち付けた。


「俺達は勝ちたいわけじゃない。お前を殺したいんだ。二度と生き返る事が出来ないように、PBMを破壊する!」


本当に、恐怖をあまり感じない。


観客など誰もいないこの場所で、北軍の運命を決める戦いが繰り広げられているなんて、誰も思ってないだろうな。


「バ、バカ野郎っ!目的を言うんじゃねえよ!警戒されてやりにくくなるだろうが!」


俺の言葉に、慌てて神谷が声を上げたが……俺にはそれすらも関係のない事だった。


「腕を斬って脚を斬る。身動きが取れなくなったらゆっくり探す。それなら、警戒されてても関係ないでしょ?」


ただ一点、松田の目を睨み付けて、俺はそう答えた。


皆が武器を構えて、いつでも攻撃出来る状況になったのを確かめて……俺は床を蹴った。