殺戮都市~バベル~

一直線に、縦に斬り裂いた重い空気。


さっきまでの戦闘の余韻すら斬ったかのようで、不思議と心は落ち着いている。


振り下ろした日本刀の切っ先。


それが、床に触れていないのに……今の一振りで刀傷が付いた。


約30センチといったところか。


川崎を仕留めた謎の斬撃の範囲。


松田に勝つには、この見えない斬撃しかない。


それと……やっぱり恵梨香さんがいてくれるというのは大きいな。


勝てそうにない相手を前にしても、安心感がある。


恵梨香さんの背中を見続けて、隣に並んで戦える今、それが良くわかる。


「ほう……九死に一生を得て化けたか。それとも、他に何か要因があるのか」


相変わらず冷たい目で俺を見下す。


だけど、その目に恐怖は感じない。


「げほっ!回復してくれてありがたいんだけどさ、どうやって戦えば良いんだよ。俺も真治君も心が折れそうになってるってのに」


「そうか?少なくとも私の目には、少年が心を折られそうになっているようには見えないがな」


名鳥も、恵梨香さんが回復してくれた。


これで、全ては元通り。


俺と名鳥が回復しても、絶対に負けないと思っている松田を殺す。


二度と復活出来ないように。