殺戮都市~バベル~

俺の手を取り、恵梨香さんがPBMを操作する。


瞬間回復。


左手の傷も、背中の傷も治り、再び戦える身体に戻った。


「ぶはっ!ハァ……ハァ……え、恵梨香さん。助かりました」


「私こそすまない。学校の前にルークがいてな。侵入するのに時間が掛かってしまった」


恵梨香さんの手を取り、起き上がった俺は、倒れている名鳥に目をやった。


そこにルークがいたのは俺のせいだ。


あの時、目が合ってしまったから、ルークが戻って来たのかもしれないから。


「名鳥は私が助ける。それまでは戦うんじゃないぞ。全員で達也と戦うんだ」


俺の肩をポンッと叩いて、恵梨香さんが名鳥に向かって駆け出す。


全員で……か。


俺と名鳥が二人がかりで戦っても全く歯が立たなかったのに、本当にやれるのか。


怒りを爆発させる神谷と、冷静に話す松田は、まるで対極の存在。


これが王者の余裕というやつか。


俺と名鳥を復活させようと、恵梨香さんが動いているのに、そんな事は全く気にしていないといった様子だ。


松田は、俺の動きよりも速い。


それに勝つには、さらに速度を上げるしかない。


スッと振り上げた日本刀。


身体の動きを確かめる為、そして、死の恐怖を振り払う為にそれを振り下ろした。