殺戮都市~バベル~

「やあ恵梨香、久し振りだね。まだ俺の言い付け通り、ヘルメットを被っているんだね。キミは表情を顔に出し過ぎるから、その方が良いよ」


俺達の事など、何もなかったかのように、無視をして話し始めた。


「少年……名鳥……おのれ達也!私の大切な友達をよくも!」


そう言って、恵梨香さんが松田に飛び掛かる。


だけどその怒りの一撃は、鞭の柄で受け止められ、もう片方の手で腕を掴まれて放り投げられたのだ。


「別れたとは言え、元カレに手を上げるとはいけない子だ。俺の言う事を聞いていれば、何の不安もなく過ごせるというのを、再教育しなければならないか?」


「……そんなやつだから、私はお前と別れたのだ。何でも出来て、強くて、だけど人を見下しているお前よりも、不器用で、必死に強くなろうと努力をして仲間と笑い合えるこの少年の方が……私は一緒にいたいと思える」


そう言いながら、ゆっくりと俺に向かって移動する恵梨香さん。


それを止めようともせずに、松田はニヤニヤと笑っているだけ。


「ジャジャーン!待たせたな……って!なんだこりゃああああっ!!」


遅れて体育館に入って来た神谷が、驚きの声を上げた。