殺戮都市~バベル~

「な、なんだよこのデタラメな強さは……ありえねぇだろ」


俺が飛び込んだせいなのか?


あのタイミングで日本刀を振らなければ、名鳥の銃弾が松田を捉えていたかもしれないのに。


強いなんてもんじゃない。


本当に、俺達と同じ人間なのかとさえ思ってしまう。


怪我を負う事に慣れていないとか、そんな事は弱点でも何でもない。


その前に敵を倒す。


実にシンプルな強さが、俺達に希望すら与えてくれない。


「ほんのちょっぴり驚いたが……確かそれは、弾の装填数が二発。自動装填で、一発目を撃ってからまだその時間にはなっていないはずだ。つまり、空っぽの散弾銃で脅しを掛けたってわけだ」


倒れている名鳥の散弾銃を蹴り、フンッと鼻で笑った松田。


ダメージが大きくて、俺も名鳥も動けないのに、松田はとどめを刺さずに俺達を見下ろしている。


そんな中で……松田の足音ではない、走っているような音が、微かに俺の耳に届いた。


「やっと来たか」


小さく、松田がそう呟くと……。


足音は、体育館の床を踏む音へと変わった。


「遅くなった……えっ?」


その声は恵梨香さん。


だけど俺と名鳥は……その声に返事も出来ずに横たわっていた。