殺戮都市~バベル~

「あ、あの……俺の制服で良ければ」


これが元の世界なら嬉しいんだけど、この二人を殺そうと、南軍の人間がいつ戻って来るかわからない今の状況では、悔しいが地獄だ。


慌てて制服のボタンを外し、それを脱ぐと、女の子に羽織らせた。


「ひゅー。少年、男前!」


「茶化さないでくださいよ……」


女の子を立たせて、一つの疑問が浮かんだ俺は、辺りを見回して尋ねた。


「えっと……この子を東軍に返すって、どうすれば良いんですか?」


「そんな事も知らないのか。光の壁を通れば、戦闘中に進行して来た人間は自軍に戻れるんだ」


なるほどね。


まあ、戦闘終了が突然宣言されるから、そうでもしないと戻れないよな。


「んー、じゃあ皆で行こうか。少年だけに任せると、送り狼になるかもしれないしね」


「いや、それよりも、この程度の腕では他のやつらに襲われて、せっかく助けた少女がまた捕虜にされかねない」


……二人とも、言いたい事を言って。


確かに俺は、二人と比べると弱いですよ。


でも、女の子を無理矢理にとか、そんな事は絶対にしない。


まだ怯える女の子は吹雪さんに任せて、俺はステージから下りた。