殺戮都市~バベル~

「残念だったな……もしかすると俺に勝てたかもしれない最初で最後のチャンスを逃した……うぐっ!?」


余裕を見せて立ち上がった松田だったが……左肩を抑えて苦悶の表情を浮かべたのだ。


よく見ると、松田が押さえている肩から血が噴き出している。


俺の攻撃が当たったのか?


いや、そんな手応えはなかったのに……。


だけど、名鳥は俺に踏まれて攻撃が出来なかったはずだし……となると、やはりあれか。


「一体何なんだ……当たらなかったはずだ。それなのに斬られているとは……面白い」


面白いなんて言ってるけど、顔は笑っていない。


腕を振り、左腕がどこまで動くかを確かめて、松田は鞭を右手に持ち直した。


きっと違和感があったのだろう。


松田の片腕をほんの少し使いにくくするのに、俺の利き腕はかなりのダメージを受けてしまった。


でも……まだ死んだわけじゃない。


「真治君。どうやら、俺達がやつに勝っている部分が一つだけあるみたいだ。そこに突けば、もしかしたら勝てるかもしれないな」


背後にいる名鳥が、俺にそう呟いた。


俺達が松田に勝っている部分?


武器レベルで負けていても、それを突けば勝てるのだろうか。