殺戮都市~バベル~

と、同時に、鞭が上から俺に叩き付けられる。


考える暇なんてない。


一本の棒のように伸びた鞭が、容赦なく俺に迫る。


素早く横に弾いて、俺も床を転がりながら反対方向に回避した。


「全く……しっかり特性を見極めろって言ったのに」


鞭が俺を襲おうと、床を、宙を自在にうねる。


名鳥が接近したのは……そんな鞭の隙間を縫って。


松田が背中を向けている方向からの、鋭い槍の一撃。


しかしそれも、俺を攻撃した鞭をそのまま後方まで振り、二箇所への同時攻撃で防いだのだ。


そしてそれが、防御から攻撃に転じる瞬間。


名鳥の表情に焦りの色が浮かぶ。


「嘘だろっ!?」


俺がやったように、武器を頭上に振り上げて、鞭を受け流す。


今だと、今度は鞭が名鳥に向いている瞬間を狙って、俺が震える足で床を蹴ったけど……。


後ろに目でもあるのか、長い足が、背後にいる俺の顔面を再び捉えたのだ。


「がはっ!」


一度ならず二度までも、顔面を蹴られて床に転がる。


さっきもこれを食らって倒れたんだな……。


鼻からボタボタと大量の血を流しながら、それでも名鳥に視線を向けた。