殺戮都市~バベル~

「空気に飲まれるなよ真治君。恐らく、俺達が太刀打ち出来なかったら、恵梨香ちゃん達ではどうしようもないレベルの相手だ。応援が来るのを待っていても、こちらが有利になる事はないぜ」


不安になっている俺に、遠慮のない言葉。


北軍に入るまでは、恵梨香さんと俺はほぼ同じ強さだっただろう。


でも、北軍での戦いで再び差が開いた。


そんな俺が、松田と勝負出来る強さでないと言うのなら、恵梨香さんと神谷には厳しい戦いになる。


「優しく指導するじゃないか。どうした?遠慮はいらないぞ?二人掛かりでも良いから、掛かって来いよ」


松田がわかりやすく挑発するけど、名鳥はどう動いて良いかわからないようで。


なるべくなら、名鳥が動いた後に動きたい。


だけど、それが出来ないなら、俺が動くしかないのか。


さっきの一撃の恐怖が残っている。


後出しでも、強引に攻守を逆転出来る力強さが怖い。


でも……ここは、死ぬ気で攻めるしかないのか。


「お、俺がまた仕掛けます。名鳥さん、俺の動きに合わせてください」


声が震える。


まるで、この街に来たばかりの時のような感覚。


心臓の動きが激しくなり、呼吸が荒くなる。