殺戮都市~バベル~

松田が廊下に出て、俺達に付いて来いと合図をする。


この狭い空間で戦うのは、槍の名鳥には不利か。


それ以上に松田の方が部屋の中で戦うのには慣れていなさそうだけど、この部屋に充満する殺気というか、圧力のようなもので飛び掛かれなかった。


「困ったねぇ。隙だらけに見えて、全く隙なんて見付からないよね。今のあいつに攻撃出来るかい?」


「い、いえ……攻撃しても、反撃されるイメージしか湧きません。気を抜いたら、そのまま死にそうですよね」


照明の点いた廊下を歩いている松田の背中を見ながら、俺と名鳥は攻撃を仕掛ける事も出来ずに付いて行くしかなかった。


これが武器レベルMAXの人間なのか。


今までの敵とは次元が違うのがわかるし、これ以上の強さを持つ敵はいない。


つまり……本当の意味での最強の人間が目の前にいるのだ。


俺とのレベル差は25、名鳥でも20近く開いている差が、これほどのものとは。


一切攻撃が出来ないまま、松田に連れて来られたのは……体育館。


真っ暗な中で、さも当然のように照明を点ける為に、近くのドアを開けて部屋の中へと入って行く。


正直……俺は、松田の姿が少しの間だけでも見えなくなった事に、安心していた。