殺戮都市~バベル~

俺達の奇襲は……松田に読まれていた。


しかも、仕掛けて来るように隙を見せただなんて。


「ハッ。つまり俺達は、手の上で転がされてたって事かい。厄介だねぇ」


そう言って、散弾銃を取り出した名鳥が、窓の外に銃口を向けて引き金を引いた。










鼓膜を震わせる破裂音が、辺りに響き渡る。


それは、あのマンションにいる恵梨香さん達に確実に届くと思われるほどの音で、聞こえれば、必ず駆け付けて来るだろうという事がわかった。


「……恵梨香に知らせたのか?あんな女が増えた所で、結末など変わらないんだぞ?」


見る限り、武器をダラリと左手から下げて、隙だらけのように見えるのに……恐ろしくて踏み込めない。


松田の武器は鞭。


しかも、金属の刃が繋がっているような、特異な形状の物だ。


あれで打たれたら……それこそ肉が簡単に削げ落ちる。


「やっぱり、恵梨香さんが来ているって知ってるんですね。こっちの戦力がどれくらいか、筒抜けってわけだ」


腹に力を入れないと声が出ないような気がして、場に飲まれないようにと必死に声を出した。


「ああ、神谷もいるんだろ?戦うなら場所を変えようか。バカでかいだけの下品な化け物を気にして戦いたくもないだろう」


そう言って松田が外のルークを指差した。