殺戮都市~バベル~

そして、松田が微動だにしないまましばらく時間が流れた。


通り過ぎたと思ったルークが再び戻って来て、俺達には気付いていないものの、いつ来るかと気が気じゃない。


「……早くPBMを出さないかな。なんかもう、イライラして来ましたよ」


「真治くんは暗殺には向かないタイプだな。ただジッと、その時を待つんだよ。何も考えずに、でも一瞬のチャンスを逃さないように」


真剣な眼差しで松田を見詰めている名鳥。


普段は見せない顔に、俺ももっと真面目にやらないとダメかなと思ってしまう。


ルークが近付いているのに、名鳥は凄い集中力だな。


下手すればルークに気付かれてしまうと言うのに。


「そ、そう言えば、どうやって恵梨香さん達に知らせるんですか?ここは自軍じゃないから、通信機能は使えませんよね?」


「そんなのはどうにでもなるさ。戦闘が始まったら、空に向かって銃を撃つから、それで気付くだろ。それよりも集中しろ。勝負は一瞬だぞ」


もしかして気付いていないかなと思ったけど、やっぱりその辺りの事は考えてるんだな。


これじゃあ、俺が邪魔しているみたいだ。


そんな事を考えながら、俺はルークの方に目をやった。