殺戮都市~バベル~

目的もなくうろうろしているだけのルークの動きは、イライラしてしまうほど遅い。


ゆっくりと辺りを見回しながら歩いて、捕食すべき人間を探しているのだろうけど、誰も怖がって外には出ないのだろう。


「もうしばらく掛かりそうだな。ところで坊主は、元の世界ではどんなやつだったわけ?そんなに強くてしっかりしてるんだ。生徒会長とかやってたりする?」


民家の二階、ベランダの前で窓の外を眺めながら、唐突に名鳥が俺の事を訊いて来た。


こんな時になんでそんな事をと思ったけど、ただ待つのは退屈だから、俺は暇潰しと思って返事をする。


「そんなに凄くないですよ。と言うよりも、全然ダメなやつです。勉強や運動が出来るってわけでもないし、クラスメイトの一部からはいじめられたりしてましたし」


苦笑しながら話すと、名鳥は真面目な顔でタバコの煙を吐いて、首を横に振った。


「どうしてわざと自分を低く見せるかねぇ。日本人はさ、自分や他人の悪い所を見付けるのは凄く得意なんだけど、良い所を見付けるのは凄く下手くそなんだよね。もっと自信を持ちなよ。それを踏まえた上で、もう一度訊くからな。坊主は、どんなやつだったんだ?」