殺戮都市~バベル~

「お、おい。狩野って確か高校生って話だよな?この街で高校生を相手に……っての珍しくねえけどよ、あれは間違いなく恋をしてるよな?」


「あ、ああ……私はてっきり父親的な感覚で、狩野を大事にしているのだと思っていたが。まさか恋愛感情を抱いていたとはな……それもあんなに嬉しそうに語るとは。恐るべし、名鳥順一」


二人とも、引き方が凄いな。


いや、それよりも凄いのは名鳥の方か。


何を言われていても全く動じず、狩野を思い浮かべてニヤニヤしている。


名鳥の言う通り、狩野は美人なんだよな。


好きになるのはわかるような気がするよ。


「まあ、ここにいない人の事を言ってても仕方ないですよね。俺と名鳥さんで、どうにかしましょう。暗殺が上手く行けば、それで北軍での戦いは終わりなんですから」


俺の言葉に、名鳥はフウッと煙を吐いて、ボリボリと頭を掻いた。


「ま、そうだな。今いるやつで、今やれる事をするしかねえな」


そう言って起き上がった名鳥は、学校を見てフッと笑った。


「ど、どうした。何を笑っている?気持ち悪い……」


きっと、名鳥が何を言っても気持ち悪いと言われたんだろうな。


そう思うと、狩野への想いをカミングアウトした名鳥が可哀想に見えた。