殺戮都市~バベル~

恵梨香さんに促され、俺達はマンションの最上階に。


そのバルコニーから見える学校を遠景に、細かな作戦を練る。


「この位置なら恐らく、私と神谷はギリギリ引っ掛からないだろう。だが、達也は既に警戒していると考えた方が良いな」


「え、やっぱり警戒されてるんですか?」


「当たり前だ。東軍側に配置されていた永田と平山、そして中央に配置されていた大山田が、緑川が守っている場所にいたんだぞ?誰の指示だ?達也の指示に決まっているだろう」


まあ、そうなんだろうけどさ。


だから、それだったら俺と名鳥の奇襲は成功しないんじゃないの?


「そんな状況で暗殺しろってのか?冗談きついぜ。失敗するのが前提じゃねえかよ」


俺よりも先に、名鳥が疑問を投げ掛けた。


そりゃそうだ。


こっちは二人で松田の拠点に乗り込んで、暗殺なんてしようとしているんだから。


「……成功確率は低いな。だが、達也は自分の指示に絶対の自信を持っている。だからこそ今の地位にいるし、そこに暗殺者が入り込むなんて考えてもいないだろうからな」


北軍の……それも、親しい人しかわからないような理由が、俺と名鳥が信じなければならない「可能性」だって言うのか。