「くっ!」
これはまずいと感じたのだろう。
川崎は武器を振った勢いで身体を回転させながら、日本刀から逃れようと後方に飛び退いたのだ。
ここしかないと高速で振り下ろした日本刀は……虚しくも、川崎を捉える事が出来ずに空を斬った。
一瞬……ほんの一瞬、こめかみを負傷した事で、判断が遅れた。
その本当に僅かな時間が、川崎を捉えられるかどうかというチャンスだったのに。
俺は、そのチャンスを逃した。
「はぁ……はぁ……もう、凄いとしか言えないね。でも、俺が押し勝……げほっ!!」
何が起こったのか……。
俺に向かって話している最中に、突然川崎の背中が裂けて、血が噴き出したのだ。
ボタボタと、大量の血が背中から地面に伝い落ちる。
もしかして……日本刀の斬撃が、川崎の背中を?
今までは殆どの攻撃を盾で受け止められていたから、それほどハッキリとわからなかったのかもしれない。
だけど、今の一振りは、刃から逃れる為に「回避」したから……。
斬撃の範囲を見極める事が出来ずに、食らってしまったのか。
「き、決まった!これじゃあもう、川崎は動けねえ!」
地面に座っていた神谷も立ち上がり、声を上げた。



