殺戮都市~バベル~

引き裂かれた左腕が痛む。


きっと普通なら、地面を転がっているような痛みなのだろうけれど、極限まで高まった集中力が、その痛みを和らげてくれているようだ。


急接近する川崎が、シンガータを回転させながら、俺の頭部を狙って来る!


武器で弾いても、次の行動が読めない!


そう感じた俺は、川崎の下に潜るようにスライディング。


しかも、殺意の残像のおまけ付きで。


地面を滑りながら、目の前にある川崎の足に日本刀を振るう。


だが、一瞬早く武器を振るって、そこに俺がいないと判断した川崎は、俺を目視して慌てて宙に飛んだ。


見上げる俺と、見下ろす川崎。


ほんの一瞬、視線が交差して、すぐにすれ違う。


地面を滑りながら、体勢を整えて起き上がり、すぐさま振り返って日本刀を振る。


川崎も同じ事を考えていたのか、お互いに武器を振り切る前に身体がぶつかり、肩口に睨み合う。


もう、言葉などない。


一瞬でも気を抜けば、死はそこからやって来るという緊張感が場を包んでいる。


そして単純な力比べ。


肩で相手を押して、バランスが崩れた方に隙が出来るという勝負。


一見地味だが、こういう細かな勝負になって来ているというのを、俺自身が感じるようになっていた。