殺戮都市~バベル~

だけど……ショックかと言われればそうじゃない。


なぜ殺し合うのがわかっていて、三戸はあんな事をしたのか。


それくらいにしか思う事が出来ないけど、ほんの少しでも、俺を動揺させようという作戦なら、それは当たったかな。


「すまない三戸さん。俺の油断で……。目覚めた頃には、俺達がどうなっているか答えが出ているはずだから、今は眠ってくれ」


今、攻撃をすれば良いのに、俺はなぜ動かなかったのか。


俺はいつもそうかもしれない。


でも、最近感じる事がある。


強いやつと戦って、勝った時の達成感というか、爽快感。


黒井ほど戦いに飢えているわけではないけれど、今なら黒井の気持ちが少しはわかる。


弱い時には持ち得なかった、強い人間にしかわからない感覚という物が。


「きっと、俺には甘えがあったんだな。氷見君と三戸さんが、俺のサポートをしてくれるって。もう油断はしない」


ゆっくりと立ち上がり、三戸の横でシンガータを構えた川崎。


俺もそれに応えるように、日本刀を構えた。


どちらが先に動くか。


ほんの僅かでも動けば、それに反応してどちらかが動く。


そんな緊迫した空気の中……背後から、何者かが近付いて来るのがわかった。