殺戮都市~バベル~

でも、まただ……。


俺自身、斬ったような感覚はなかったし、今回なんて完全に防がれたと思っていたのに。


「この程度の傷ならすぐに治るけど……今のがもっと深く入っていたら、俺は間違いなく死んでたな。真治君、キミは危険なやつだ」


それでも、笑みを浮かべたままだっていうのは狂気さえ感じる。









「だから……早めに殺すよ」








そう言って、川崎は山羊の角を俺に向けるように構え、体勢を低くして俺に迫った。


地を這うような低い位置から、山羊の角を俺の心臓に突き付ける。


動きが……速い!


慌てて鞘で弾こうと、左手を身体の正面に持って来たけれど……シンガータが、鞘に当たる直前で回転する。


反対側の山羊の角が俺の左腕を捉えて、気付いた時にはもう、鞘を持つ左腕は、俺の身体から引き裂かれて宙を舞っていたのだ。


「うぐっ!!」


痛みが……刃物で斬られた時の比じゃない!


そのでこぼことした山羊の角が、無理矢理引き裂いた傷口はグチャグチャで、歯を食いしばっていなければ痛みでのたうち回りそうだ。


でも……そのおかげで、目の前にいる川崎は完全に無防備になった!