殺戮都市~バベル~

川崎はまだ前を向いている。


盾を顔の前に出した事で、視界を奪ってしまったな!


隙だらけの後頭部に振り下ろした日本刀。








だが、それすらも、川崎はシンガータを後ろに素早く移動させ、防御したのだ。


「ふぅ、危なかった。だからさ、守りやすいって言ってるでしょ」


俺が着地すると同時に振り返り、盾で日本刀を押し返す川崎。


怖いのは、この山羊の角だ。


この武器の使い方が独特過ぎて、どこから迫って来るかわからない。


なるべく攻撃範囲に入らないように、次の攻撃に移れるようにと、軽く後方に飛び退いた時、それは俺の目に映った。








川崎の頭部から……血が流れてる?


本人は気付いていないようだけど、左の眉毛の上辺りまでそれは垂れて来ていた。


「動きが派手だねぇ。それなのに無駄な動きがあるようには思えない……って、なんだこれ」


俺から目を逸らす事なく、川崎が流れている血を手で拭う。


そして、それを見て、慌てた様子で頭を手で押さえた。


「……おかしい。完全に防御したはずだ。なのに、どうして斬られた!?」


この様子だと、傷はかなり浅いみたいだな。