殺戮都市~バベル~

あまりに唐突に起こったそれは、川崎と三戸を驚かせた。


いや、驚いたのは二人だけじゃない。


「な、何があったんだ?」


俺自身、日本刀を握り締めて、膝から崩れ落ちる氷見を見ている事しか出来なかったのだ。


「よ、避けたはず……なのに」


その傷はどれだけ深いのか、地面に倒れた氷見は、完全に戦闘不能のようで、苦しそうな呼吸音が微かに聞こえる。


「……えっと、高山真治君。俺はキミを甘く見ていたようだ。今、やっと理解したよ。キミは危険な男だ。だから、本気で殺す。三戸さん、目の前にいるのは敵だ。わかったね?」


本当に、何が起こったんだよ。


俺だってわからないのに、それで川崎を本気にさせてしまったのか?


「はい、川崎さん」


武器を構えて、川崎も三戸も俺を睨み付けている。


わからないけど……俺も死ぬ気でやらないと、川崎には勝てないだろうと、その目を見て感じた。


「キミが死ぬ前に、一つだけ訊く。東軍と南軍の星5レアが、北軍の人間と結託して何をしようとしている?松田を倒した後、北軍をどうするつもりだ?」


「松田を殺して……仲間を集める。そしてバベルの塔に行くんだ。あの塔に何があるかを確かめに」


強く、恵梨香さんと出会った時から揺るがない気持ちを、俺は川崎にぶつけた。