殺戮都市~バベル~

「もらったね!……って、あれっ!?」


「え!?嘘っ!真治君がいない!?」


俺がそこにいないと知り、素早く身体の向きを変えながら、俺を探す川崎と三戸。


俺の時間は早くも終わりを迎え、事態は最悪な展開を見せる。


一撃で仕留める為に飛び込んだから、こうなるとは考えていなかった。


前方に氷見、後方に川崎と三戸。


追い詰められて、逃れようとしてさらに追い詰められてしまったのだ。


「ちょっと信じられないんだけどさ。本当にこの子が緑川相手に苦戦したわけ?ハラキリってのも、面白おかしく話に尾ひれが付いただけなんじゃないの?」


「あーっ!川崎さん、私が聞いた情報を信じてないんですかぁ!?」


二人で話をしながらも、俺から視線を逸らそうとしない。


しっかし参ったな。


相手が、恵梨香さんと神谷が話していた川崎だけに、逃げる事が出来ないぞ。


逃げれば、必ず追って来る。


そうなれば、さっき川崎が言っていたように、松田と挟み撃ちにされてしまうのだから。


怪我する事を極力回避しようとしていたけど……そうも言ってられないか。


と、俺が覚悟を決めて日本刀を握り直した時だった。









「か、川崎さん……こいつ、わけわかんねぇ……」









そう言った氷見の腹から、突然血が噴き出したのだ。