殺戮都市~バベル~

使える武器は日本刀、そして鞘。


それに対して相手は三人。


全ての攻撃を防ぐには、腕と武器が一本ずつ足りない状況。


誰か一人の攻撃を無視するか……いや、そんな事をすれば、そこから崩れてしまう!


回避するしかない!


緑川との戦いで、バカになりかけた殺意のコントロール。


恨みのない「人」相手にではなく、俺を殺そうとする「敵」に対して、ほんの一瞬殺意を放ち、すぐに殺意を抑えて氷見に狙いを定めて飛び掛かった。


誰も、俺が移動した事に気付いていない。


この、誰にも認識されない僅かな時間が、俺だけが自由に動ける時間。


氷見は俺に再び攻撃を仕掛けようと、宙に舞い上がり、手に持ったダートを俺に向けて投げ付ける。


正確には俺ではなく、俺がいた場所に向かって。


まず一人だ。


一人を先にやれば、戦闘が少し楽になる。


その思いで氷見に接近し、振るった日本刀。


だが、攻撃に転じた俺の僅かな殺気を感じ取ったのか、氷見が俺に気付き、驚いたような表情を浮かべて、日本刀を振るおうとする俺の右腕を蹴って後方へと飛び退いたのだ。


振り抜いた日本刀に、斬ったという手応えは感じられない。


川崎と三戸はまだ俺に気付いていないようだけど……俺は大きなチャンスを逃した。