殺戮都市~バベル~

「北条ちゃん、綿密に作戦を練っているかと思ったら、案外無計画なのね。本当にあれで松田さんに勝つ気なのかしら。あなた達も無理だと思ったら逃げなきゃダメよ?」


随分軽く、他人事のように言うんだな、大山田は。


神谷と名鳥と、こんなに親しげに酒を飲んでるんだから、一緒に行くんじゃないのか?


「何言ってんだシェリー。お前も一緒に来いよ。松田をぶっ殺して、この北軍を変えてやろうぜ」


椅子から立ち上がった神谷が、男らしく暑苦しい顔を大山田に向けて手を差し出す。


恵梨香さんにはこんな良い顔を見せた事がないのに、オカマの大山田には見せるとか、神谷も大概おかしなやつだな。


「神谷ちゃん……ダメね。そんな言葉で付いていくのは、男を知らない女学生か、バカな男くらいしかいないわよ?私はね、自分の身が大事なの。もしも失敗して、松田さんに追われるなんて考えただけでもゾッとするわ。ほら、さっさと行った行った」


まだ座っている俺達を立たせて、追い出すように店の入り口へと、大山田が誘導する。


「お、おい、まだ酒が残ってるんだ。それくらい飲ませろよ」


「何言ってんの!また飲みに来れば良いでしょ!……戻って来なさい。松田さんを倒したらすぐここに。その時は祝杯をあげましょ」