翔太の家にはほとんど毎日いた。

あたしのママは
心配していたし、
何度も迎えに来たけど
翔太のお母さんが
ちゃんとお預かりしています
安心してくださいと、
追い返した。

バカなあたしはあたしを
かばってくれていたからだと
思っていたけど、
あたしがいないと悪いことをするし
暴れる彼を思っての行動だったんだろう。


いつも笑っていて優しかった

「まいちゃんがいてくれて、
おばちゃん本当よかった!」

よく口癖のように言っていた。

あたしが殴られてアザを作った日には
泣きながら

「ごめんね、ごめんなさい」
と、しっぷをくれた。

あたしはそんな毎日でも幸せだった
笑っていたし、泣いていた。
感情がちゃんとあった。


翔太も二人暮らしの計画が
本当に実現するために
アパートを契約した頃には
悪いことを、やめた。


「結婚しような」

冗談でも、まじめな話でも
ふたりにとって当たり前なことのように
話をしていた。


アパートを借りて二人暮らしを
始めたのは
冬がきてクリスマスの時期だった。


付き合って3年半だった。

幼いあたしたちは
あたしたちしか抱えていなくて
すべてがあたしには翔太で
翔太にはあたしだった。

翔太にはあたしが
初めてじゃなくても
あたしには翔太が初めてで
全部が翔太だった