ーーーー二学期が始まり、私は美術部に入部しました。

「得意なことがあるのなら、その面を伸ばした方がいい」

……吉田先生のアドバイスがあったからです。


初めての部活動は緊張の連続でした。
でも、入ってみると意外に気楽でした。

美術部には、” 絵を描いてる人には絶対に話しかけるな ” …という鉄則があり、おかげで私は、ほぼ毎日話しかけられずに済みました。

好きな色が出るまで色を調合したり、満足がいくまで色を塗り続けても何も言われない。
時間がきたら終わる美術の授業と違って、余裕もあり、心ゆくまで自分の世界に浸れました。

一つの作品ができあがる頃、冬休みが近づいてきました。
私はその作品を持って、2人に会いに行こうと決めました。

吉田先生との面談で、卒業後の進路について話した時ーーー

「芸術学部とか美大とかを目指してみたらどうだい?ののかちゃんみたいに絵を好きな子がたくさん集まるとこだし、皆、いろんな意味で一風変わってて面白いよ…」

勉強はできなくても、今のまま絵を描き続ける努力をしていけばいい。
デッサンの練習は大変だけれど、私なら大丈夫…とお墨付きをもらいました。

いろんな大学や短大、専門学校も含めて調べました。
それで、自宅から一番近い短大の芸術学部を目指すことにしました。

自分の道が、少しずつ開けていることを教えてあげたかった。
神社が完成したかどうかも気になってました。