「おふくろが死んでから………仲間達と会うのをやめた………オレのせいでおふくろが死んだのなら……せめて…まともに生きようと思った………勉強ができなくても……学校へ行った………頭が悪くても…勉強する手を止めなかった………努力が足りないと思ったら………トコトン努力しよう………それが罪滅ぼしになるなら………と…………でも…………」

言葉を詰まらせるキツネさんの気持ちは、全部は掴みきれませんでした。
…ただ、悔しそうに唇を噛む姿は、ずっと心に残りそうな気がしました。
グス、ズズ…と鼻を鳴らす音も、耳に残り続けていました…。

「オヤジも兄弟も……オレを許さなかった………家の中でオレは……おふくろの死の罰を……たった1人で……背負い続けた………」

歯車が狂い始めたら止められなくなった…と、キツネさんは言いました。

「家の中にいるのが耐えれなくなって………オレはまた家出した………今度は何も書かずに………それこそ………死んでもいいくらいの気持ちで………」

通ってた定時制高校の友達の家を渡り歩いた…とキツネさんは話しました。
家の人からは電話もなく、見捨てられてるんだな…と感じたそうです。

「いっそ、死んだのがオレなら良かったのに…と……何度も自分の存在を恨んだ………死ねるもんなら死んでやりてぇ……それで……オヤジやアニキやアネキが……オレを許してくれるなら………って………」