「うわっ!何すんだこいつ!」

大きな声を出したのは、キツネさん…じゃない、キツネのような顔した男の人です。

後から聞いたら、『田所 祥太(たどころ しょうた)』さんと言うそうです。


「…やれやれ、とにかく先ずは飯にしよう。何もかもはそれからだ」

タコさんは低い黒いテーブルの上にお味噌汁の入ったお鍋を置きました。
テーブルの名前は『ちゃぶ台』。

「このレトロな感じが好きなんだよ」

そう言って笑ったタコさんの名前は、『富沢 剛 (とみざわ ごう)』さん。

2人とも漢字が難しいので、私は彼らのことを「キツネさん」と「タコさん」と呼ぶことに決めました。


…休学中の女子高生と、

オトナ二人の、

奇妙な生活の第一日目が始まろうとしていました……