「変なキツネ…」

感想を言いました。
そしたら怒鳴られました。


「俺はキツネじゃねぇ!!とっとと起きやがれ!!このオタンコナス!!」


……オタンコナス…って…


「…何それ?」

「おっ!起き上がった!」

鍋を持ったタコさんが喜びました。
…起きてから気づいたんです。

ここは、知らない家の中で。
2人はオトナの男の人で。

キツネだと思ってた人の左の耳には、ピアスが3つ光ってて。
タコさんだと思ってた人の頭は、やっぱり丸くて毛がない。


「……あの…ここ、どこですか?」


改めて聞いた質問の、どこが変だったんでしょう…?

キツネさんとタコさんは、2人揃って…

「はぁ〜…」

…と、深い息を漏らしました…。


お鍋を持ったまま、タコさんはキツネさんに話しかけました。

「やっぱ、警察に行くべきだな」

キツネさんは頷いて、

「その方がいいだろう」

…と答えました。

ケーサツ…という言葉に不安になった私は、大きな声を出して反対しました。

「反対っ!!反対っ!!ゼッタイ反対っ!!」

ケーサツに連れて行かれたら、私のせっかくの親孝行も台無しになってしまいます。
だから…

「どこへも行きませんっ!!」

ギュッと掴むものを間違えました。
ホントなら、テーブルの脚を持たなければならなかったのに、その脚があまりに短かった為に、
手っ取り早く、目の前の足を捕まえてしまいました。