「お前、ホットミルク飲んでいなかったか?」
「ぎゃっ美国笙!」
何で!? 午前中は打ち合わせでオフイスには居ないはずじゃ!?
でもよく見れば、いつも緩めているネクタイがきっちりされていて、髪も乱れている。
もしかして、打ち合わせ帰りの美国笙と鉢合わせしちゃったのでは!?
「人をバケモノみたいに言うな。お前、珈琲飲めなさそうな顔だが、飲めるのか」
「あの、人を馬鹿にし過ぎです。マズイから飲まないだけです。飲めないではないです。これは部長のです」
「其処までは聞いていない。俺も飲むから早く退け」
自分から話しかけたくせに、本当に感じ悪い。
横にずれて、美国笙が珈琲を入れるのを睨んでみた。
「午後の会議に顔を出せる時間が出来たから、参加する」
「え」
「あからさまに嫌な顔をするな。俺のデザインを見ただろ?」
「見ましたけど、これとそれでは――」
私がそう言うと、不意に美国笙の手が伸びてきた。
「俺と話しているのだから、ちゃんと目を見て話せ」
顎を強引に持たれ顔を上げさせられた。



